映画『ベトナムの風に吹かれて』完成披露試写会レポート&ロケ地情報

越後のBaちゃんベトナムへ行く長岡市内で撮影が行われた日本とベトナムの国際合作映画『ベトナムの風に吹かれて』の完成試写会が7月31日に新潟市で行われました。 こちらは、新潟県出身の小松みゆきさんが書いたエッセイ『越後のBaちゃんベトナムへ行く』の映画化です。小松さんは1992年からベトナムの首都ハノイで日本語教師として暮らしていましたが、2001年に認知症の母親を引き取りました。 その体験をもとに2007年に出版されたのが『越後のBaちゃん〜』です。 映画の前に舞台挨拶が行われ、大森一樹監督、松坂慶子さん、草村礼子さんが登壇。 大森一樹監督は「アイドルからゴジラまで撮ってきた」という自身のキャリアを振り返りながら、還暦を数年前に迎えた今だからこそこういう作品に取り組むことができたのでは……と語っていました。 越後のBaちゃんことシズエを演じた草村礼子さんは、お父様が松之山の出身というご自身と新潟との縁を披露。認知症や介護を扱った映画ではあるものの「楽しいステキな作品」ですと、明るい笑顔で話されていました。 その越後のBaちゃんを大胆にもベトナムに引き取るという決断をくだす主人公みさお役の松坂慶子さんは、なんとロケハンに同行してベトナムまで行き、そこで原作者である小松さんに会うことができたそうです。 監督曰く「じつはベトナムや東京のシーンも、一部新潟で撮影しました。きっと見ても分からないと思いますよ」とロケの裏話をちらり。 それでは気になる長岡ロケシーンをご紹介。 シズエおばあちゃんを引き取るきっかけになる葬儀のシーンは栃尾の葬儀場「やすらぎホールとちお」で撮影されています。 みさおの実家として登場するのは、毎度おなじみの栃尾・来伝の諸橋邸。 さらにみさおの子ども時代の回想シーンで出てくる木造の学校は和島の旧島田小学校です。

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vietnam4そして気になる大森監督が話していた一部新潟で撮影したという東京とベトナムのシーンですが、みさおが高校時代を過ごしたという池袋のアパート、ハノイにある「昭和」という居酒屋(みさお行きつけの店として度々登場)、こちらの撮影が新潟市で行われました。 原作を映画化するにあたり改題したのは監督のアイデアだったそうです。「どうしてこのタイトルにしたのか、映画を観ていただければ納得いただけると思います」とのことでしたが、確かにその通りでした! 主演の松坂さんはラストシーンを好きな場面としてあげられており、非常に余韻の残る、静かで、温かくて、切なくて、素晴らしい終わり方でした。 『ベトナムの風に吹かれて』は全国に先駆けて、新潟県内では9月26日から先行上映が始まります。

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映画『ベトナムの風に吹かれて』
2015年9月26日からイオンシネマ県央ほかで先行上映
監督:大森一樹
脚本:大森一樹 北里宇一郎
原作:小松みゆき
出演:松坂慶子 草村礼子 藤江れいな(NMB48) 山口森広 貴山侑哉 斎藤洋介 吉川晃司(友情出演) 松金よね子 柄本明 奥田瑛二

■解説
経済成長期を迎え、かつての日本を思わせるような活気にあふれているベトナム。 ハノイ在住の日本語教師・小松みゆき氏が認知症の母とのベトナム暮らしを綴った『越後のBaちゃんベトナムへ行く』を原案に、『ヒポクラテスたち』『ゴジラvsビオランテ』の大森一樹が映画化。 主演は『大阪ハムレット』以来6年ぶりとなる松坂慶子、認知症の母親役に『Shall We ダンス?』の草村礼子など、実力派のキャストが揃った。

■物語
ハノイで日本語教師として働くみさおに父の訃報が届く。故郷・新潟で目にしたのは認知症を患い父の死さえ理解できない母シズエの姿。みさおは兄たちの反対を押し切りベトナムに母を連れて行く決心をする。 新潟からも出たことがない母との異国での二人暮らし。母が巻き起こすハプニングもベトナムの人々は家族のように受け入れ、言葉は通じずとも心を通わせていく。