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大林宣彦監督作品・劇映画「この空の花」(仮)—長岡花火物語—
さてしかし私たちは、この「長岡花火」の歴史とその背景を、決して、事実に則したドキュメンタリーとしてのみ映画にしようと考えている訳ではありません。私たちが願い、夢見ているのは、この「長岡花火」が伝える精神、人の心の思いを描く、人の願いの物語、ファンタスティックな、夢のような「劇映画」として長岡発の一本の映画を、全世界に向けて送り出したい。
大林宣彦監督は、「映画は言葉だ。人の心の願いをこそ伝える手紙のようなものだ」と語ります。この「長岡花火」が伝える美しく誠実な人の言葉、――世界中の爆弾を全て、花火に替えたい、――この言葉に込められた人の願いに出逢った時、大林監督の心に反射的に「この空の花」なる映画題名が浮かび、映画化を決意されたそうです。
大林監督は「古里映画」製作をライフワークとし、これまでにも北海道・小樽を舞台に、あるいは長野市、同県上田市、四国の香川県観音寺市、九州は福岡県柳川市、大分県臼杵市など日本の古里を巡ってその土地の人たちと共に古里固有の文化、物語を映画に描き、こうした「古里映画」は「大林映画」として、国内外で高い評価を得て来られました。
目下大林監督とそのスタッフは、この「長岡花火」の物語を、魅力的で人々が忘れ得ぬ映画として完成させるべく、脚本の物語を生み出す上での調査を開始されております。
「長岡花火」と「大林映画」が「花火」と共に結ばれ、その平和への祈りが世界に発信される日の来らんこと、私たちは心より願い、長岡古里人としての情熱を傾けたいと決意しておる次第であります。
最後に大林宣彦氏から送られた言葉をここに記します。
―― 「映画は暗闇に咲く花。パッと咲いて、パッと消えて、目を閉じた闇の心の中に願いの灯を余韻する。永遠に。・・・・・それが映画の力、美しさ。まるでこの空に咲く花火のようですね。戦争も爆弾も遠くなった日本の夏に、これは当時を知る大人たちだけの物語ではない。これから遙かなる未来を、平和を願って生きる未来人たる子供たちに、この物語を届けたい。この映画が温故知新の物語として、彼らがまことの平和を手繰り寄せる道筋となって欲しい。これはそういう、人の心のファンタジー、強い願いの夢の映画なのです」。
平成22年7月
「長岡映画」製作委員会
代表 渡辺 千雅