映画『ベトナムの風に吹かれて』舞台挨拶レポート
新潟や長岡など県内でもロケが行われた映画『ベトナムの風に吹かれて』。
ようやく長岡で上映会が開催、上映にあたり、小松みゆきさんの舞台挨拶が行われました。
以前のブログでもお伝えしましたが、この映画の原作は魚沼市出身の小松さんが書いたエッセイ『越後のBaちゃんベトナムへ行く』(映画化にあたって『ベトナムの風に吹かれて』に改題。角川文庫刊)です。
2月15日、月曜日1回目の舞台挨拶の様子をレポートいたします。
当日はチケット完売ということで場内は満員!
小松さんは上映前に、配給会社のアルゴ・ピクチャーズの方と一緒に登場。
そもそもの映画化のきっかけから話は始まりました。
小松さんがベトナムに行ったのが1992年、認知症の母親と一緒に暮らし始めたのは2001年のこと。そしてエッセーが出版されたのはそれから6年後の2007年でした。
小松さんの当時の様子は「ヒロさんと認知症とベトナムの空」というタイトルでNHK教育放送でドキュメンタリー番組として放映されました。
その後、出版社の本の在庫もそろそろ尽きかけた頃に、アルゴ・ピクチャーズから映画化の話があり小松さんとしては「もう(本だって)ないし、昔の話だし」と、戸惑いがあったそうです。
映画化が本格的に動き出しのは2014年2月頃から。
そのとき、関係者一同はベトナムの小松さん宅を訪ねたそうです。
すでに90代を迎えていた「越後のBaちゃん」は当時はまだご健在で、訪れた松坂慶子さんを見て「きれいな人だねえ」とおっしゃっていたとか。
その“きれいな人”である大女優・松坂慶子さんが自分自身を演じることを「驚きでした」と語る小松さん。
なんと松坂さんはその後、マネージャーも付けずにひとりで役作りのために小松さんを訪ねて2回もベトナムにやってきたそう。
大女優をおもてなし……ということで小松さんは当初は高級なお店にご案内しようかと考えていたのですが、松坂さんから「(ベトナムの)普通の生活が見たい」と言われたことから居酒屋などで一緒に食事したとのこと。
あの美しい見た目とは裏腹に気取りなく何でも食べる松坂さんのおおらかさと、役作りにかける情熱に小松さんは「人間的に惚れちゃったという感じ」と交流のエピソードを披露していました。
映画の中で松坂さんは、大切な足としてバイクを颯爽と乗りこなします。
じつは小松さんと一緒に過ごしているときに松坂さんから「後ろに乗ってもいい?」と、頼まれたそうです。
万が一事故にでも遭ったらどうしようと、ためらいはあったものの、結局一緒にベトナムの街を走った小松さん。「私は『ローマの休日』の気分を味わいました」と振り返っていました。
もうひとりの主役である「越後のBaちゃん」を演じたのは草村礼子さん。
偶然にも小松さんのお母様と草村さんはとても体型や雰囲気が似ており「草村さんを見ているだけで涙が出て」きたと、当時を振り返っていました。小松さんのベトナムのお友達も同じように感じたらしく、草村さんから「なぜか皆さん、私を見るとウルウルするんですが、どうしてなのかしら」と尋ねられたとのことでした。
「恋愛の部分はフィクションですが、介護の部分はみんな本当の話。でも自分の話なのに、いまだに慣れなくてピンと来ないんです」と映画を観た感想を語っていた小松さん。
最後に「縁あって長岡市で上映できて、観客の皆さんにこうしてお会いできてうれしいです」という言葉で舞台挨拶は締めくくられました。
「ベトナムの風に吹かれて」は好評につき、2月21日・日曜日に追加上映が決定しました。
まだ観ていない方、もう一度観たい方、この機会にぜひ、ご覧ください!