映画『峠 最後のサムライ』舞台挨拶
待ちに待った映画『峠 最後のサムライ』がいよいよ6月17日から公開となります。それに先駆けて6月6日(月)にT・ジョイ長岡にて舞台挨拶と先行上映が行われました。
劇場は超満員!この映画に対する期待の高さが伝わってきます。
舞台挨拶で登壇したのは小泉堯史(たかし)監督、主人公・河井継之助を演じた役所広司さん、継之助の従者・松蔵役の永山絢斗(けんと)さんの3人です。
3度の延期を経て、ようやく公開にこぎ着けたことについて、役所さんからは「長岡の皆さんにはお世話になりました。1日も早く観てもらいたかった」、そして永山さんからは「長岡で舞台挨拶が出来て幸せ」という嬉しい言葉がありました。監督は「ようやく今日から河井継之助に対する思いを(長岡の)皆さんと共通して持つことができる」と感慨深そうでした。
原作は司馬遼太郎さんのベストセラー小説『峠』。監督は若いときにこの小説を読んで継之助に惹かれたこと、継之助に会ってみたいという気持ちが映画を作る原動力だったことを明かしました。
役所さんは継之助を演じることを「プレッシャーです。継之助じゃないと言われることが怖いです」とコメントした後に「とはいえ継之助の言葉を、役を通して語れるのは俳優だけです。それはひとつの醍醐味であり喜び。彼の言葉を大切に伝えることが僕の役目だと思って演じました」と語りました。
印象的なシーンは「戦争を避けたいと思っていた継之助が、戦争を選ぶことになってしまった小千谷談判」で「この映画、長岡の分かれ目」と話しました。継之助の魅力については「未来を見据えて毅然とした態度で皆を引っ張っていくリーダーとしての気迫」と表現しました。
監督は作品のポイントを「松蔵」とコメント。「彼を理解できればこの映画も理解出来ると思っていて、松蔵に対する思いは深い」と話しました。黒澤明の助監督を務めてきた自身のキャリアに触れ「助監督は松蔵のようにやれれば、役に立つ。今ならそのようにできるだろうかと考えますが、実際はなかなか難しいですよね」と話されていました。役所さんも「松蔵は素晴らしい存在感」と絶賛していました。永山さんは以前から役所さんの大ファンだったそうで、ほめられて嬉しそうにしているのが印象的でした。継之助に対しては「情が深く、人の上に立つ存在。役所さんを通すことで(役に対して)説得力が生まれていると感じました」と話しました。
監督は「僕たちはすべてを俳優さんに託します。そのために美術や衣裳、小道具などのスタッフも一生懸命取り組んでいます。新潟はロケーションとしてとても素晴らしい場所。これは俳優さんたちにとっても助けになったのではないかと思います」と語りました。
長岡を中心に県内では実際に多くのロケが行われ、エキストラものべ2千人が参加しました。
映画には継之助の両親や妻おすがをはじめ、牧野忠恭(雪堂)、山本帯刀、三島億二郎(川島億次郎)、花輪求馬、外山脩造、小山良運、良運の息子で後に画家として大成した小山正太郎など長岡ゆかりの人物が多数登場します。
ぜひ劇場のスクリーンでお楽しみください!