「田吾作どんのいる村」夏編ロケ
猪浦直樹監督の短編自主映画「田吾作どんのいる村」
ロケ地は、南魚沼市(トミオカホワイト美術館、三国川)、柏崎市(別俣農村工場)、津南町(樽田の森)、刈羽村(油田、ひだまりの里)など県内各地の自然豊かな地で行われました。
今日は、この映画の企画意図や内容をご覧ください!
そして、写真は「ひだまりの里」での一コマです。
登場人物や背景から物語を想像することも楽しいかもしれませんね、シナリオライターや監督さんになったつもりで・・・・・
(企画意図)
原発事故以降、人間と自然との関わり方が問われています。 科学への信仰が行き過ぎた弊害が、私たちの生活を蝕み始めていないでしょうか?
かつての日本人の信仰の対象は、“自然”でした。農耕民族は、雨や日光を神に祈るしかないからでした。
かといって、古代人に戻れるはずはありません。でも、自然と共存して行こうとする姿勢は、持てるのではないでしょうか?
自然に対して、人間が奢っていなかった頃の物語を、厳しくも美しい新潟の自然の中で、描きたくなりました。宮沢賢治の童話「虔十公園林」(けんじゅうこうえんりん)のような地方都市とそこに暮らす人々の普遍的な物語になればいいなあと思っています。
(内容)
新潟と言えば、雪国です。 山間部では、毎年大変な積雪量を記録し、気温も低く、毎日の雪おろし作業は、大変な肉体労働で、吹雪ともなれば、交通機関は麻痺し、家に閉じ込められてしまいます。しかし、その雪は芳醇な水となって、お米や農産物という恵みを授かるのです。不便なもの、格好悪い事のなかにこそ、人間にとって本当に大切なものが隠れているのです。その冬の厳しさと美しさを映像に閉じ込めたいと思います。
人間の生活に最も大切な“水”がもう一つのテーマです。人間の体の60%が水であることは、よく知られています。雪解け水は川となり、海に注ぎ、蒸発して雲となり、雨や雪となって大地に吸収される。この循環の中で、人間は自然に生かされているのです。
水の汚染が進行しています。近い将来、世界中で水の奪い合いが始まるだろうと言われています。 今こそ、水を大事にする時なのです。
開拓時代。新潟県内の山間部、雪深い村の言い伝えとなる悲恋が、この映画の主軸となります。少年の叶わぬ恋心は、結果的に村を救うことになります。
(プロフィールなど)
監督は、『第9回伊参スタジオ映画祭シナリオ大賞2009年短編部門』にて「彼」のシナリオで審査員奨励賞を受賞され、2012年に自費で映像化されました。
この映画「田吾作どんのいる村」も自費で製作されています
今回も日本映画撮影監督協会員の寺田緑郎さんや照明の淡路俊之さん録音の臼井勝さん達で撮影されていました。
俳優さんは、新潟のオーディションで選ばれた加藤大輔さん(田吾作役)、酒井大輔さん(田吾作の父親役)、池田直樹さん(村の若者役)、吉田宗浩さん(木を切る男役)、京都からは若林奈緒子さん(田吾作の母親役)が、駆けつけて下さいました。
秋編の撮影もあります!
2016年春に公開予定!
東京・新潟で「彼」と二本立てで上映されます。
勿論、「田吾作どんのいる村」は、長岡でも上映をしていただきたいと思っています。
(追伸)
「田吾作どんのいる村」は、長期間の撮影になってきたため、制作経費がかさんできたとのことだそうです。
この自主映画製作にご協賛くださる方がいらっしゃいましたら、猪浦監督に連絡をお願い致します。
電話090-1810-7925
kyosankin-tagasakudon@yahoo.co.jp
text by saito